いつになったら、私は完成するのだろうか……。
糸に触れる。自身に繋がっている糸。
四方からのびている糸は織り込まれ、私を形成する。しかしその糸の先は果てしなく、端がどうなっているのか全く分からない。
所々に装飾も施されている。宝石のような煌びやかなものから、自然物、他生物の体の一部と多彩で、これらから私は形成されている。
完成した暁には、真っ先にこの糸の先を見に行こうと思っている。この糸は何処から来ているのか、素材は何なのか、私のように織り込まれ形成されていく者がいるのか……。
織り込まれて作られていく自身を眺めて、その時が訪れるのを夢見ている。
ーー此処に、人形が一つ。生長不全により、これ以上織り込まれることのない未完成の人形。